真空管ギターアンプ自作のキロク
Weber amp kit 6A14HP building
- Top
- Research-準備
- Parts-部品購入
- Equipments-道具
- Cabinet-キャビネット
- Chassis-シャーシ
- Faceplate-フェイスプレート
- Mods-改造
- Reverb-リバーブ
- Ground scheme-アース
- Assembling-組み立て
- Bias-バイアス調整
- Done!-完成!
- Whoops!-しまった!
- Cooling Fan-排熱ファン
アンプ製作は高電圧を扱うため危険が伴います。当サイトに掲載・表示された情報を利用したことに起因、関連して発生したあらゆる損害について当方は一切責任を負いません、自己責任にてお願いします。社名・商品名などの名称は、一般に関係各社の商標・登録商標です。
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- 真空管ギターアンプ自作のキロクWeber amp kit 6A14HP building
- はじめに初めての真空管ギターアンプ自作の記録です。今回、製作してみて日本語での情報がとても少ないと感じました。参考にさせていただいたサイト、ページへのリンクを交えながら製作記を綴りたいと思います。アンプ製作は素人なので間違い等もあるかもしれませんが、自分も作ってみたいという方の一助となれば幸いです。Research-準備自作と言っても全てを自分で作るのは大変なのでアンプキットを購入することにします。そこで主な真空管ギターアンプ自作キットを販売しているサイトをチェック。ウェバーアンプはギターアンプキットでは一番有名な所でしょう。価格もリーズナブルです。使用しているパーツの質に関してはやや低めの印象です。オリジナルのスピーカーは評価が高いです。ピックアップやギターパーツなども販売しておりアンプキットのパーツもオレンジドロップ・コンデンサなどを使用しておりクオリティが高そうです。その分、価格もWeberに比べると高いです。ダンブルアンプのクローンで有名です。完成品も販売しています。ショッピングカート形式ではなくメールで直接やり取りする方式なので英語ができるのであれば細かく打ち合わせて基板だけの購入もできるでしょう。しかし今回の目的は自分で作ることなので半完成品を購入しても意味がないのでパス。自分の用途を考えて、持ち運びできるコンボタイプ、ライブハウスで使える音量、クリーン~クランチのブルース・ロック向けサウンド、という事でWeberの6A14HPに決定。出力管が6V6ではなく6L6GCで出力30~35W。フェイズインバーター回路はPrinceton Reverbと同じ方式です。実際の製作にあたり主に参考にしたサイト、書籍はフェンダーChamp 5F1をベースにしたアンプの製作記事を通じて部品や作業について解説しています。原理編・設計編では真空管回路について分りやすく学べます。書籍化もされており初めて真空管ギターアンプを作るのであれば是非お手元に。超初心者とつくだけあって解説は分りやすく部品も入手しやすい物が採用されています。しかし少し物足りない部分があるのも事実。製作編もアンプヘッド部のみに限定しており、部品の選定も最初は安い物でこだわるのは後で、というスタンス。おそらく真空管アンプを自作したい人はエフェクターなどをすでに作っているでしょうから部品にもこだわりたい方が多いのではと思います。若松通商さんにてキットと本がセットで販売されています。Weberのフォーラム(英語)海外では掲示板でのやり取りが盛んで、実際にそのキットを組み立ててみた感想や意見を知ることができます。要登録ですがかなり役に立ちます。今回いろいろと調べてみてギターアンプの自作に関しては日本語よりも英語の方が圧倒的に情報量が多いです。英語がわからなくても写真や回路図から理解出来る部分もあると思います。この掲示板を参考にMod(改造)を加える予定です。現行Fender プリンストンリバーブのメンテナンスやモディファイに関するサイト。いろいろな情報が良くまとめられています。Building an amp(英語)オランダの方のアンプ製作記。Weber ampの6A20キット、Fenderデラックスリバーブ(AB763)タイプです。写真も多く配線方法やグラウンドの取り方など参考になります。
- Parts-部品購入まずは6A14HPキットをWeberへ注文。キャビネットは自作予定なのでNo cabinetを選択。真空管、コンデンサー、抵抗、ジャック、は国内で調達予定なので注文ページのA La Carteでチェックを入れておきます。同時に日本用(AC100V)の電源トランス「W025130INT」と取り付け金具「W025130SU-BELL」も注文。その後送られて来たメールをざっと訳すと、・商品代金の合計が413ドル、送料は127.83ドル。・発送までアンプキットは3~4週間かかる。・発送したら追跡番号を送ります。・送料(127.83ドル)はあくまでも概算で実際の送料は送ってみるまで分からない、金額の追加、変更もあり。同じ日にカード決済のお知らせメールも届いて結局送料はそのままで合計540.83ドルの請求でした。注文が3月21日、11日後の4月1日に発送連絡(FedExから直接追跡番号が送られてきます)、荷物到着は4月6日でした。キャビネット無しだったので早めに発送できたのかもしれません。数日後、関税の振込用紙が…5,500円。円安もあってかなり高くなってしまいました。追記、100v用のパワートランスはシャーシ側の取り付け穴位置が合わず苦労します。No Power Transformerを選択して初めからマーキュリーマグネティクスのFDP-20/100-120にした方が質も高く、穴位置もそのままで取り付けられるので良いと思います。詳しくはこちら国内手配の部品は主に通販サイトGarrettaudioから購入。こちらのリンクをクリックするとパーツリストがエクセル形式で入手できるので事前にダウンロードしておくと便利です。スピーカーはプリンストンリバーブのModでは定番の12インチにしようと思いサウンドハウスへJensen C12Kを注文。C12Nと迷うところですがアンプ出力が30~35Wなので耐入力100Wで、少し高音が抑えられそうなC12Kにします。追記:C12K高音の抜けがイマイチで後日入手したヴィンテージのJBL D120Fへ交換しました。クリーンが綺麗で個人的には好みです。
- Equipments-道具テスターなど以外にアンプ製作に必要な道具も作ります。
- カレントリミッター アンプの通電テスト時に使います。電球とアンプを直列につなぐことによってアンプ側がショートしていても回路を守ることができます。詳しくはGuitars590の日記さんのこちらの記事を参照。Lightbulb limiterで検索するといろいろと情報があります。
- ダミーロード スピーカーの代わりにつなぐ擬似負荷です。いきなりスピーカーを繋いで飛ばしてしまったら悲しいです。8Ω50Wの抵抗とプラグをハンダ付けするだけです。
- 電解コンデンサー放電用抵抗 電源を切った後も電解コンデンサーには電気がたまっていてそのまま触れるのは危険です。princetonreverb re-issueさんのアンプの放電の項目に詳しく書かれています。真空管が温まった状態で電源を切れば自然放電されるようですが、念のため強制放電用に10kΩ25Wの抵抗の両端にワニ口クリップを付けたものを自作しました。
- Cabinet-キャビネットキャビネットの製作です。図面はこちら。寸法はプリンストンリバーブのサイズから採りましたので12インチスピーカーには小さいです。Weberの物はもう少し大きいようですね。木材によってアンプの音も変わるみたいでこちらのサイトに色々と書いてあります。入手しやすいところで材料はSPF(マツ系のSpruce・えぞ松、Pine・松、Fir・もみ、の3種が混在した木材)の1×12材で決定、自作ジグを使ってトリマーでフィンガージョイント加工、面取りはボーズ面ビットとルーターテーブルで行います。箱になったところでバッフル板も作ります。こちらはパイン集成材で厚みは1/2インチ(12.7mm)にしました。表側にはグリルクロスが浮くように外周に沿って1/4インチ(6.35mm)の”枠”を貼っています。仮組の際にスピーカーがアウトプットトランスと干渉することが判明。スピーカーを中心からずらして固定することにします。固定にはM4の爪付ナットとボルトを使いました。黒く塗装してウィートグリルクロスをタッカーで貼ってバッフル板は完成。キャビネットにはシンコール・セビリアという合皮を貼りました。接着材は平面は3Mスプレーのり99とタイトボンド、コーナー部分は瞬間接着剤を使いました。合皮がトーレックスに比べて厚手なのでコーナーの合わせに苦労しましたが何とかきれいに貼れました。内部にアルミ板を貼って、ハンドルを取り付けてキャビネット完成です。
- Chassis-シャーシシャーシですが厚みもありしっかりした作りの物です。材質はステンレスでしょうか?穴あけはボール盤がないと難しいと思います。まずMidとマスターヴォリューム、バイアステストポイントを追加したいので穴を空けます。weberフォーラムの情報でRCAジャックは絶縁タイプの方がノイズが減るとの事なのでステップビットで繰り広げます。ボックス型電解コンデンサ(Capcan)はCEの物にするのでこちらの取り付け穴も開けなおします。さてここからが問題。100V用の電源トランスW025130INTですが120V仕様の物と線の出てくるところが違います。そのため別売りのエンドベルに組み替えるわけですが、そうすると取り付けボルト位置が合いません…。Guitars590さんのブログにも書いてありました。結局、取り付け穴と配線穴4個を空けましたバイアスボードの設置スペースが確保できるか心配ですがどうにかするしかないですね、後で考えます。※後日、マーキュリーマグネティクスの電源トランスへ変更しました。アウトプットトランスも取り付け穴位置が合いません。6A14のシャーシを流用しているのでしょう。そしてこのトランスの真下にアイレットボードの固定用ボルト穴が…。なんだかなぁ。
- Faceplate-フェイスプレートフェイスプレートは金属板に塗装で文字を入れてあるようです。塗装のクオリティはブツ(ゴミ、異物)が残っていたりしてそれほど高くないです。フロントパネルはTrebleとBassの間にMiddleを追加したいので一度文字は削り取って消し、ギャレットさんで購入したインレタを使って新たに文字を入れ直します。ポインタの部分はマスキングをして筆で手書きです。リアパネルも統一するため文字を入れ直します。少し字が小さくなってしまいましたがキレイに入りました。上からラッカークリアを吹付けて完了です。
- Mods-改造
- Master volume オリジナル回路にもオプションのマスターヴォリューム回路が記入されていますがフォーラム上ではあまり評判が良くありません。同じようなフェイズインバーターの後に入れるタイプのマスターヴォリューム増設に関してはPPIMV (Post-Phase-Inverter-Master-Volume) やlarmar master volumeが有名なようで検索すると回路図が出てきます。このアンプの場合はリバーブ回路とフェイズインバーターの間、V3BとV4Bの間にDCカットコンデンサーとポットを入れる回路の方が具合が良いようです。回路図は下の画像参照。
- Bright switch このモデルにはブライトスイッチがありませんので追加します。インプットは2つも要らないので余ったジャック穴にスイッチを付けることにします。回路は簡単でVolumeの2番端子と3番端子の間にコンデンサーを入れるだけです。テレキャスのハイパス回路と同じですね。コンデンサーの値はとりあえず120pFにしてみます。
- Middle control フェンダーアンプのトーン回路(トーンスタック)にはTrebleとBassだけでMiddleが無い物があります。その場合は6.8kΩの抵抗をポットに変えればミドルを可変に出来ます。ポットの値は10kΩか25kΩが一般的なようです。4kΩの抵抗+10kΩのポットを直列という回路もありました。トーン回路については「超初心者のための真空管アンプの工作、原理、設計まで」の こちらのページに詳しく解説されています。
- Bias test point パワー管のバイアス調整はバイアスキングなどのアダプタを使う方法もありますが、より簡単に測定出来るようにTipジャックを追加します。パワー管の8番ピンは通常そのままアースへ接続されていますがここに1Ωの抵抗を挟み込み、その両端の電圧を測定することによってバイアス測定を行えるようにします。リイシューのプリンストンリバーブの回路にもこの抵抗が追加されています。
- Reverb-リバーブ6A14HPキットにはBeltonのBL3AB3C1Bリバーブタンクが付属します。1番響きの長いタイプです。weberフォーラムの情報でもかなり効きが良い(効き過ぎる)と言われています。
対策としては- 残響の短いリバーブタンクに交換する。
- リバーブにつながるV1BとV3Bの間の3.3M(R14)と10pF(C7)を2.2Mと20pFにする。1目盛りくらい効きが弱くなる。
- リバーブポットを100kBカーブからAカーブに変える。
- リバーブドライバーの12AT7をゲインの低い12AU7に交換する。
などが挙げられています。- 基板からリバーブポットへの2本の配線は捩る、さらにシールドするとよい。シールド線は片側だけをバスバー、アースラグへ落とす。
- 3.3M(R14)と10pF(C7) からV3Bの7番ピンへのケーブルはシールド線にする。シールド線のアースは基板側へ落とす。
- V3Aの2番ピンからリバーブペダル、リバーブアウトプットのRCAジャックへのケーブルはシールド線にする。アースはRCAジャックのアースと同じ所へ。
- パネル絶縁タイプのRCAジャックを使う。アースはまとめて一番近い真空管ソケットのナットに落とす。Volポット側のバスバーへはアースループの危険性があるのでつながない方が良い。
リバーブタンクの設置方法ですが- ラバーフィートを外してタンクの底面に厚めの段ボールを敷く。透明のラップで固定。
- 質の良いRCAケーブルを使う。
- リバーブタンクをバッグに入れる。先ほどの段ボールと共にバッグに入れることによって共振を防ぐ。
- アウトプットジャックが電源トランスからなるべく遠くなるようにタンクを設置する。
他にもキャビネット底面に金属シートを貼ってシールドする、ローノイズな12AT7を使うのも効果的だそうです。しかし段ボールって…。自作のキャビネットにはカバーに入れると収まらないのでweber kit流のバネを使った固定方法を試してみます。 - Ground scheme-アース「アースライン・引き回し」「グラウンドループ」等で検索してみましたがあまり良く分りません…。困ったときのweberフォーラムという事で情報をまとめると
- Capcan(ブロック電解コンデンサー)、パワー管のカソード(8番ピン)、AC100V電源のアースは電源トランス(PT)の取付ボルトかシャーシに溶接されているアースボルトへ落とす。PTセカンダリのセンタータップも同じ場所でいいと思います。
- バスバー(バスワイヤー) 太めの裸導線でポットに沿って空中に浮かせて設置し、片側をPTからなるべく遠いところでシャーシへ落とす。インプットジャックのアースが良い。基板からのアース、各ポットからのアースはこのバスバーへ落とす。インプットジャックをパネルから絶縁する場合はシャーシにラグなどで取り付ける。
- 出力トランス(OT)とスピーカージャックはジャックを通じそのままシャーシへ
- リバーブ、RCAジャックについてはReverb-リバーブを参照
実際にはCEのcapcanはケースがマイナス端子と導通しているので取り付けた時点でアースに落ちているので配線はせずそのままです。昔のフェンダーアンプをみるとCapcanのマイナス端子をシャーシに直接ハンダ付けしてあるようですが交換が大変そうなのでしていません。パワー管8番ピンからはバイアス測定用の1Ω抵抗を経て近くのソケット取付ボルトへ落としました。 - Assembling-組み立ていきなり全部組み立てるのではなく段階ごとに電圧、導通を確認しながらの作業になります。当たり前ですが作業時はコンセントを必ず抜くなど基本に忠実に感電に注意して行います。初めての状態で通電する際にはカレントリミッターを使います。OKならば直接コンセントへ繋ぎます。最初はAC電源周りから。PTの使わない線は収縮チューブで絶縁しインシュロックで束ねて固定しておきます。そして2次側に既定の電圧が出ていることを確認します。何も繋いでいない状態では1割ほど高めの電圧が現れます。680VACのところは736VACでした。※カレントリミッターを接続した状態では電圧が低くなります。その後はヒーター線を繋ぎ各真空管ソケットに6.3VAC(実際には6.9Vありました)が供給されていることを確認します。続いてソケット回り、ポット周りを配線します。アイレットボード側も別に配線しておき、スタンバイスイッチ以降の配線もします。1度ではなく何回か配線を確認し(特に電解コンデンサーとダイオードの極性)、整流管だけを挿し回路図中A,B,C,Dの電圧を測定します。バイアス回路にも負電圧が発生していることを確認します。※ここからは通電後、電源を切っても高電圧がコンデンサーに貯まるのでシャーシに手を入れる前に必ず電圧を確認します。特に整流管のみを挿している場合はコンデンサ内の電力が消費されないのでかなりの時間、高電圧が留まり続けます。プリ管、パワー管を挿した状態では十分温まってから電源を切ると1分ぐらいでほとんど放電されましたが7Vくらいまで下がったところで放電が鈍くなりました。念のため電源オフ→2分くらい放置→強制放電の手順をとりました。問題がなければ他の真空管も挿し通電し各部の電圧を測定します。電源を入れたまま測定するとテスターの先端でショートさせてしまう危険性があるので、面倒ですがクリップ取り付け→電源オン→測定→電源オフ→放電を繰り返しました。結果は下記画像参照。同時にバイアス調整もします。(バイアス調整については別項にて説明します)。まだスピーカーには繋がずダミーロードを接続した状態です。すべてOKとなったらいよいよスピーカーにつないでみますが…案の定ウンともスンとも言いません。再度すべてを確認。配線間違いはなし、各部電圧も正常…。テスターで各部の導通チェック、なんと原因は使用しているシールド線のショートでした。芯線の被服表面に半導体を使っているもので被服と端子が接触しショートしていました…。そして再びチェック、電源を入れヴォリュームを上げるとギターの音が。うーん感動。
- Bias-バイアス調整さて真空管アンプにはよく出てくる「バイアス調整」ですが検索するといろいろ情報が出ていますのでその辺はお調べください(情報が多すぎて何を信じてよいのか却って迷ってしまいますが・・・)。このアンプのパワー管は6L6GCなのでプレート損失は30Wです。プレート電圧は440Vでホット側(真空管に負荷をかけて)70パーセントで動作させた場合の計算式は30W×70%=21W21W÷440V=47mAとなり47mAになります。バイアスをコールド側にしたい場合(真空管にあまり負荷をかけず長持ちさせたい場合)は50%で計算し30W×50%=15W15W÷440V=34mAとなります。大体この34mA~47mAの間に入っていれば問題ないようです。テスト信号を流してオシロスコープでクロスオーバー歪みの無くなるポイントに調整という方法も散見しますが、ウェバーアンプの掲示板などを読むと結局のところ70%以下の安全範囲内であとは耳で聞いて自分が良いと思うポイントに調整する方法で良いと思います。安全が確保できればギター(音楽)ってそういうもので、日本人はどうしても数字やスペックにこだわりすぎますね…。難しいことは英語ですがAiken Ampのページに詳しく書いてあります。There is no single "correct" bias point.だそうです。バイアステストポイントとしてパワー管8番ピンとアース間に1Ωの抵抗が追加してありますのでその抵抗の両端の電圧を測ればオームの法則からそのままプレート電流として置き換えることができます。最初はポットを目いっぱいまわしきっても49mA程になってしまったのでR34 4.7kΩを3.8kΩへ変更しました。とりあえず46mAと44mAあたりでホット側にて調整しました。追記:電源トランスをMercuryに交換後、プレート電圧が420Vへ下がりました。計算上50mAまではOKですがしばらく使ってみて38~40mAで落ち着きました。やはり自分の耳が一番頼りになります。
- Done-完成weberのツマミが入りません…。キツめなので入らない時は1/4インチ(6.35mm)で軽くさらってね、とHPに書いてありますがそんなビット日本人はそうそう持っていないので6.5mmでさらいます。ブラスなので簡単に削れますが固定用に当て板を作りました。最後まで手間のかかるキットです。シャレでFender tube chartをまねたラベルをキャビネット内に貼りようやく完成です。ノイズも問題ないです。Vol5くらいまではクリーン、Vol6~8くらいが個人的にはいい感じです。Vol.10にすると少し歪みますが6弦が割れたような歪です。このあたりの細かい音作りは難しいですね。エレハモの12AX7EHはゲインが低めらしいのでもう少しハイゲインの真空管も試してみたいです。マスターVolはスムーズなカーブで使いやすいです。これがなければ自宅ではVol3くらいが限度です。リバーブは良く効きます。4以降では効きすぎなくらいなので12AU7にそのうち変えようと思います。なかなか使える良いアンプが出来ました。
追記
初段の12AX7は「Antique Electronic Supplyの比較表」を参考にTung-Solの物に交換しました。エレハモと比べてゲインがアップし、音色のバランスが良くなりました。リバーブドライバー管も12AT7から12AU7に交換しリバーブの効きが1目盛り分くらい穏やかになり、4くらいまで上げてもビヨンビヨンにならず実用的です。歪ませた際の6弦の割れたような音、はプリンストンリバーブ特有の非効率なフェイズインバーターに依るもののようです。同じPK分割フェイズインバーター方式のツイードデラックス(5E3)でも同じような歪み方をするようです。そこで初段のカソードバイパスコンデンサの値を変更。デフォルトの25uFから10uFに変更し低音をタイトにしました。4.7uFも試しましたが低域がスッキリしすぎてBassトーンコントロールでの調整範囲が狭くなる感じだったので10uFで落ち着きました。カソードバイパスコンデンサーの原理については「超初心者のための真空管アンプの工作、原理、設計まで」を参照。またこちらの「Cathode Bypass Capacitor Calculator」というサイトでは周波数特性の計算が簡単にできます。他にもフェイズインバーターを固定バイアスに変更するPaul C Modも効果的と言われていますので機会があれば試してみたいと思います。 - Whoops-しまった!完成から数日後、電源を入れてしばらくしたら煙が出ました…。原因はパイロットランプソケットがシャーシと接触してヒーター電源6.3VACがショート。被服が溶けてパワートランスも逝きました…。絶縁が甘かったです。ウェバーアンプのシャーシはフロントパネルの角度がフェンダーよりもきつく、このタイプのパイロットランプは合わないみたいです。ベーク板をエポキシでシャーシに貼り付け絶縁しました、初めからこうすることを強くお勧めします。せっかくなので評価の高いMercury Magneticsのトランスにアップグレードしようと思います。調べたところ品番はBlackface Deluxe用のFDP-20/100-120で良いようです。ToneCloneシリーズのFatStackというモデルです。ネット上で仕様書を探しましたが見つからずMercuryのPatricksさんにメールをしたらすぐに仕様書が添付された返事が来ました。Weberフォーラムで見つけた240V仕様のFDP-20/240や多電圧対応のFDP-20/Uの仕様書ではバイアス用の2次側出力がタップではなく別に設けられていましたがこちらは普通にB電源のタップになっています。注文から2週間でようやく届きました。プレート電圧が420Vと少し下がりましたがバイアス調整も問題なく範囲内に収まりましたのでOK。出音はあまり変わっていません。出力トランス交換のほうが効果ありそうですね。ハムノイズが減りました、これはマウント方法が伏型になったからでしょうか。やはりストラトとの相性は抜群です。もう何も起こりませんように!
- Cooling fan -排熱ファン30分ほど試験運転してみたところスイッチ、スピーカープラグまでもが触ると熱くなっていました。温度を測ってみるとキャビネット内は約60℃。Fender系コンボアンプの場合は真空管が逆さ吊り状態なのでシャーシが炙られて熱くなりやすいです。ある程度の熱は通常動作の範囲内と思いますが実験も兼ねて排熱用のファンをバックパネルに取り付けてみました。使用したファンはAC100Vで動くものでSanACE60 109-180です。リード線にプラグを付けてコンセントに差し込めばそのまま動きます。動作音もまったく聞こえませんしノイズも無いです。このアンプには元からAC100Vアウトが取り付けられているのでそこをパワースイッチで連動するようにしました。真空管に直接風を当てるのではなく、アンプ外に熱を逃がす方向に取り付けています。結果はかなりの効果がありました。電源オン時は室温約27℃。30分経過しても約43℃でスイッチ、プラグも熱くなりません。効果的な対策と思います。シャーシ内部の温度も下がったでしょうから電解コンデンサの寿命も延びると思います。
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